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それにしてもやっぱり新作高すぎない?

先日、有名作家の弓は100万越えが普通で、そうなるにはわけがあります。と書いたわけですが、それにしてもそこそこのオールドとおんなじ値段って変じゃない?という声をいただいたので、どうしてそうなってるのか、書いてみたいと思います。

 

確かに、お客様のえー、新作高い!の印象、わかります。特に有名作家。なんであんなに高いんでしょうねえ。ヨーロッパでお有名作家の弓は、銀黒檀5000ユーロがスタンダードだったりしますが、日本で買えば100万はザラ、車買えるよ!な値段です。ヨーロッパだとまあ、半分とはいかないけれど日本で買うよりかなりお手頃な印象はありますがそれでも、決して安くないお値段です。

分かりやすくギヨームさんの弓で考えてみると、今6000ユーロ。同じくらいの値段のオールド弓は結構いいモリゾーって感じですね。日本だとギヨームが100万ちょっとで、いいモリゾーが100万から150万くらいって感じでしょうか。モリゾーは、結構いいっていう限定を付けても日本では値段に幅が大きいです。

いいモリゾーとギヨームの銀黒檀だったら、どっちがいいですか?これ、人によって、絶対こっちでしょっていうのが真逆なんです。

つまり、同じ値段でクオリティー的にOKってことですね。

でも、ギヨームには希少価値っていうプレミアムはないよね、っていうのがあります。が、素人がコンディションとか真贋とか何にも考えずに使いやすいって買って後々問題にならないっていう利点があります。

 

でも、新作で200万とかあるよ!あれはどう考えても高すぎ!っていう声。新作200万高いですねえ。いくらべっ甲使ってるとか、高齢な有名作家だとしても高くない?

なんで、そんなに高いかっていうと、この作家のこのクオリティーは20年後には今200万で取引されてるオールドよりたぶん高くなるよっ思っている人が多いからです。これから値上がり必須だから今いくら高くても買っておいて損ないよ、っていうことですね。もちろん、誰にも未来は分かりませんから絶対、とは言えませんが、いい例がバイオリンのパパ・モラッシー。

数年前450万とかでそれなら戦後モダンイタリアン買えるよ!っていうお値段だったんですね。でも、よく考えると作った年代両方とも70年代となると、今、現役でもあと20年くらいたったら普通に両方同年代のモダンの扱いになって純粋にどっちがいい?っていう話になるわけです。そうなったときに、70年代イタリアを代表する作家としてはモラッシーに分があるな、となると、モラッシーはかなり高めな値段でも全然OKってことになるわけです。

 

他の例だと、20年前だったらヴォアランとサルトリーだったら、断然ヴォアランのほうが高かったですが、今はお値段同じか時によっては逆転していますね。ヴォアランとサルトリーでは半世紀の差がありますが、その差が越された、という感じでしょうか。

 

そんなわけで、新作高いのは、クオリティー的にその価格帯のオールドと対抗できるから、もしくは、今後の含み益が入っているから、というのが私の見解です。

 

下の弓は、バルジョネ。70年代の作品です。彼の作品は金べっ甲や銀象牙も多く、今後どんな評価を得ていくのか楽しみな作家のひとりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Comments: 1
  • #1

    小谷 優 (Thursday, 28 September 2017 15:15)

    勉強に成りました!!