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カバコス

今年に入ってからなかなか新しい弓のご紹介をする機会がなかったんですがようやく新入荷商品です。

カバコスのチェロ弓。カバコス実は入れ違いで、イタリア時代同じアパートの住人でした。当時、もう20年くらい前のことですが、クレモナで、100年に一人の逸材と言われていた人物です。その後、パリのラファンのもとで仕事し、その後独立しています。彼の弓の特徴は、端正なんだけどクラシックで終わりきらないエッジの利いたスタイルと、よくある新進気鋭の斬新さとは一線画した品の良さ、でしょうか。私の覚えている少年カバコスは洗練とはかけ離れたとにかく技術はすごいけど変わった人でしたが、そこから、見事にパリの空気を融合させ孵化した技術だけではない作家に成長したと思います。

そして、去年の夏ふらっとパリの楽器屋の看板で彼の名前を見かけたんですね。そして、突然こんにちは、とはいっていってで彼の弓を見せてもらいました。久しぶりに、これは仕入れなければと思った次第です。その後、オーダーして最近ようやく仕上がってきました。彼の弓は、竿のタイプが注文の仕方で変わります。その点ギヨームのようにどれ買っても基本的なタイプが同じという作家ではありません。

 なので、日本の楽器屋さんで見かけて弾いてみて音はいいんだけどちょっと弱いかなと思った人もいるかもしれません。演奏スタイルで、垂直方向に強い弓が弾きやすい人と寝かせた時ぐらつかない弓が弾きやすい人とに分かれます。今回注文したのは垂直方向に強い弓。寝かせてもしっかりしていること。注文通りに仕上げていただきました。かなり日本人好みの仕上がり。

 4000ユーロになります。

 ご興味がある方お早めにご連絡ください。

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